「厩戸王」表記に筋違いの抗議:「つくる会」

 2017年2月に公表された次期学習指導要領改定案。「新しい歴史教科書をつくる会」が社会科歴史的分野で、「聖徳太子」の名称を「厩戸王」との併記にしたことを取りやめるよう求める抗議文を提出したと、一部で報じられている。

文部科学省が2月に公表した小中学校の次期学習指導要領改定案について、「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)は7日、現行の「聖徳太子」を「厩戸王(うまやど&

 「律令国家形成の出発点となった聖徳太子を抹殺すれば、日本を主体とした古代史のストーリーがほとんど崩壊する」などと主張しているという。

 これは本来、論じるにも値しない難癖のたぐいである。歴史研究の進展を踏まえ、厩戸王の名称の方がより適切だと考えられたという背景がある。

 しかしその背景にもとづく記述の進化が、皇国的というか国粋主義的というか極右的な、彼らの史観や彼らが求めるような歴史教育にとって極めて都合が悪いことは、「つくる会」の主張からも読み取れる。

 今回の抗議を出したのは「つくる会」である。一方で「つくる会」の内紛で分かれた当時の反主流派から作られた「日本教育再生機構」(育鵬社教科書の執筆母体)や産経新聞などほかの極右的な勢力も、似たような考え方である。

 彼らは十数年前から、社会科歴史・公民を中心とした教科書の記述や、センター試験の問題、私立中学校受験向けの学習塾教材などについて、自分たちの掲げる極右史観にとって都合が悪いと見なした記述に難癖をつけて「抗議」する行為を繰り返している。

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 今回の「抗議」も、過去の「抗議」と同様に難癖の域でしかない。しかしその一方で、過去の「抗議」によって、教科書の記述や試験問題などに萎縮が見られる事例もしばしば発生している。

 馬鹿馬鹿しいと一笑に付すだけでは、結果的に誤った主張がごり押しされ広められるという困ったことになってしまっている。現在大問題になっている森友学園の問題も、広い意味ではこのような勢力の暗躍の結果の一つであるともいえる。

 不要なことを教育現場に持ち込ませないためにも、必要な指摘はしておかなければならないだろう。

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