「森友学園」小学校認可問題:豊中市の市民グループが大阪府に申し入れ

 大阪府豊中市の市民グループは2月23日、新設の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」(2017年4月開校計画)の設立にあたって国有地の不明朗な取引問題が起きた学校法人森友学園の問題について、私立学校設置認可権限がある大阪府に対し、厳正な審査をするよう大阪府に申し入れをおこなった。

 森友学園の問題は、大阪府豊中市の土地について、国有地売買価格は原則公開のはずが「非公開」扱いになっていたことへの疑念が、直接の発端となっている。

 その後価格は公開されたものの、値引きの根拠が不透明などの問題が指摘された。政府側は「敷地内のゴミ処理費用が8億円」として8億円の値引きをした・価格非公開についても「ゴミが埋まっていることを知られると学園側への風評被害になるとして、学園側から非公開の希望があったので対応した。しかし土地に関する新聞報道を受けて、おかしな疑念を抱かれるのは不本意と学園側から申し入れがあって公開の同意を受けた」と主張した。

 しかし森友学園側は「国から価格を提示され、その価格なら買うとして購入した」「国のほうから非公開にするかと聞かれた。国有地取引は自分たちにとって初めてだし、自分の家をいくらで買ったのかなんて人に話すようなことではないというのと同じような感覚で、非公開でお願いしますと言った」「ゴミはそこまで撤去していない」と食い違った主張をおこなっている。

 また森友学園側が国と土地を正式契約する前に大阪府私学審議会で「認可適当」答申が出され、校地確保が原則とする審査基準に反したのではないかと指摘された。当時大阪府は「認可適当答申を前提に、国の国有財産近畿地方審議会で国有地を確保できる見通し」と説明した議事録が明らかになっている。一方で政府側は国会答弁で「国として、国有財産近畿地方審議会より前の段階で、学園側に土地について内諾を与えたことは一切ない」と答弁し、議事録の内容と食い違っていることにもなる。

 また私学審では、学園側の経営状況の見通しが厳しいことや、カリキュラムや教育方針についても疑問が出された。とても認可相当とは判断できないような議論がなされていたにもかかわらず答申が出ていることも、議事録から明らかになった。

 さらには、森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)では、園児への虐待行為疑惑、ヘイト文書や保護者を威圧するような行為など、数々の問題点が指摘された。

 (1)国の土地取引の不透明さ(2)大阪府私学審での不可解な「認可適当」答申(3)学園が運営する幼稚園での不適切な教育活動――と、一見すると異なる問題であり、またそれぞれの問題ひとつずつとっても重大な問題として扱われるべきものが、根っこの部分ではつながっているとみられるような形で進んでいるような形になっている。

 大阪府私学審議会の議論や議事録を元にして検討すると、大阪府が土地取引に直接関わったわけではないが、大阪府私学審が「認可適当」答申を出したことで、一連の問題につながったのではないか、大阪府が間接的に原因を作ったのではないかとも受け取れる。

 また虐待やヘイトなどの不適切な教育活動については、大阪府の指導監督権限ということになる。私学は建学の精神があるとはいっても、人権侵害行為まで認められるはずはなく、そういう行為に対してはしかるべき改善策がとられる必要がある。

 虐待やヘイトの被害者は、大阪府にたびたび被害を訴えていたと聞く。一方で、松井一郎大阪府知事は2月22日の知事記者会見で「大阪府としては把握していない。(記者会見の直前に)国会議員が国会で質問したようだが、その国会議員は虐待情報を把握してるんやったら、まずは大阪府に通報してや。それなしに国会で騒ぐのは、おかしいんとちゃう?」などと発言し、被害通報の存在を否定した。この点も食い違いを見せている。

 大阪府としても、小学校認可問題や幼稚園での虐待・ヘイトなどの問題について、きちんと対応する必要があるのではないか。2017年3月下旬に最終結論を出すとみられる認可問題についても、厳正な審査が求められている。

(参考)
◎森友学園 設置認可の権限ある「大阪府は厳正な審査を」(毎日新聞 2017/2/23)

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