「安倍晋三記念小学校」?私立小学校建設寄付金集めの振込用紙

 財務省が大阪府豊中市の国有地を、2017年4月開校予定の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」を運営する学校法人森友学園に9割引で売却した疑惑が指摘されている問題。

 この問題に関連して、『日刊ゲンダイ』2017年2月15日付(2月14日夕方販売)が、『「安倍晋三記念小学校」の衝撃 国有地「激安」払下げ 大阪・森友学園』の記事を出している。森友学園が学校設置の寄付を募る際「安倍晋三記念小学校」の名称で寄付金集めをしていたとする内容を指摘している。

 本題に入る前に、背景の事情について触れておきたい。

 森友学園は大阪市淀川区で塚本幼稚園を経営している。塚本幼稚園については、園児に教育勅語を暗唱させるなどの極右的教育で、しばしばマスコミでも取り上げられるなどしている。

 塚本幼稚園に関連して、保護者とみられる人がかつて告発ブログを開設していた。極右的な教育方針だけではなく、虐待といわれてもおかしくないような行為、園長・副園長などが保護者を威嚇するような態度や配布文書など、さまざまな告発がなされていた。

 塚本幼稚園は園の公式サイトで、「元不良保護者」が園への「中傷ブログ」を書いているとして、注意を呼びかける文書を掲載している。文書では「投稿者は、園に紛れ込んだK国人・C国人」など特定の国・民族を指すヘイトスピーチと思われる内容も含まれていた。

 告発ブログは、事情はわからないが、当初作成していたサイトのアドレスでは閉鎖している。一方で当時のページは、インターネットのアーカイブサイトに保存されている。

 2017年2月になり、財務省・森友学園の土地取引の内容が報じられたタイミングで、当時のブログと同じ内容を記載したブログが別の場所に再開設された。

 再開設されたブログでは、大半が以前のブログの内容の再掲載とみられた。一方で新たなエントリもアップされていた。新たに掲載された内容は「安倍晋三記念小学校」。塚本幼稚園が保護者に振込用紙を配布し、開校予定の「安倍晋三記念小学校」の基金を募っているとする内容を、振込用紙の写真とともに掲載していた。

 インターネット上では「学園側に近い何者による偽造・情報攪乱ではないか」と疑う向きもあった。過去のサイトから拾い出した内容をコピーして一見本物っぽく見せかけながら、学園側が偽の情報を混ぜて流すことで、その偽の情報に誰かが食いついて騒ぐと、学園側はそこをついて「嘘だ」「信用できない」と騒ぎ、批判者の批判を弱めることができる。マスコミの会見では騒いでも、自作自演ならば実際に名誉毀損などで訴えるわけはない、騒ぐだけで世間にアピールできるが「その後」のことはあまり報じられないと計算(かつて橋下維新も同じような手を使って対立勢力を陥れようと図ったことがある)。また告発ブログのブログ主にも罪をなすりつけることができるなどの意図があるのではないか。また第三者のいたずらだと仮定した場合は、リスクが大きすぎる。――そのような内容が、疑問視する立場の人からは指摘された。また「安倍晋三記念小学校」というあまりにもストレートすぎる名称が、にわかには信じがたいという疑問もあった。

 当ブログでも、振込用紙が噂になっているという情報は把握していたものの、内容が内容だけに慎重な対応が必要だと判断し、これまで保留していた。

 こういった流れがあったが、振込用紙の存在について、ジャーナリストなどが裏取り取材をおこなっていた様子。

 そして「日刊ゲンダイ」2017年2月15日付(3面)の記事へとつながっている。記事では「塚本幼稚園は2014年に、保護者に対して寄付金を募る振込用紙を何度も配っていた」という証言を掲載している。2014年は、現在は「瑞穂の國記念小學院」という名称がついている同法人の系列小学校の新設認可申請を、大阪府に出していた時期と重なる。

 また記事では、学園側に振込用紙の件の取材を試みたが、繰り返し問い合わせても学園側は「担当者がいない」と答えるばかりで中身については回答していないとする内容を掲載している。

 学園側の対応は、振込用紙は本物ではないかと、側面から補強したような形になっているのではないか。仮に、学園とは無関係な者の偽造だとすれば、偽造だと断言するのではないか。また「安倍晋三記念小学校」なる名称での寄付金集めをした事実がなければ、荒唐無稽と一笑に付すようなコメントを一言寄せるだけで終わりではないかとも思える。しかし、そうではないということも不審ではある。

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