「教育無償化のために改憲」は誤り

 安倍晋三首相が、日本維新の会の「教育無償化のための改憲」の主張に歩調を合わせる形で、憲法改正に意欲を示している。

 1月25日、維新議員の「フランスのように憲法に定めることが恒久的な教育無償化のためには望ましいと考えますが、総理のご所見をお伺いします」とする参議院の代表質問に対し、安倍首相は改憲に意欲を示す答弁をおこなった。

 維新顧問としての活動を続けている橋下徹も、ツイッターで繰り返し「教育無償化のための改憲」を訴えている。

 しかし、教育無償化は憲法改正によらずとも、法律の整備だけで可能である。

 実際、公立高校授業料実質無償化は、現行憲法のもとで実現している。また、現行の制度設計としては極めて不十分で引き続き拡充が課題となっているとはいえども、大学など高等教育での給付型奨学金制度導入も、現行憲法のもとで実現した。

 世論の高まりと、それを背景にした議会の構えだけではないか。

 歴代の政権は、無償化や奨学措置の拡充に消極的な理由として、財源がないことをあげていた。それに対しては「改憲すれば財源が出てくるという打出の小槌があるのか」といった痛烈な批判も出た。

 また日本維新の会は「公務員削減などで財源を生み出す」と見当違いのことを掲げている。これでは教員も減らされることになって教育条件の低下や、教員以外の公務員も減ることになって災害時などの対応能力が低下することにもつながりかねない。

 また維新にしても安倍政権にしても、改憲の本丸は「基本的人権の制限」である。国家・行政にとって都合がいい時には国民の権利を制限するような条項へと変えられ、現行憲法の理念が骨抜きになりかねない。それをごまかすために、一見すると受け入れやすそうに見える「教育無償化」を口実にしているのではないかとみられる。

 「教育無償化」と改憲を結びつけるのは、危険なものだといえる。

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