大阪市・高尾教育委員が任期残して辞任

 大阪市教育委員会は1月31日、高尾元久教育委員が同日付で、任期を残して辞任したと発表した。理由は「一身上の都合」としている。

 高尾氏は2011年2月に教育委員に任命された。2015年2月に2期目として再任され、任期は2019年2月までの予定だった。

 高尾氏は2015年夏の市立中学校教科書採択(2016年度以降4年間使用)で、社会科歴史的分野・公民的分野について、育鵬社教科書の採択を、当時の大森不二雄教育委員長とともにもっとも強く推進した。

 高尾氏は産経新聞社の幹部を歴任した経歴を持つ。育鵬社は産経新聞社のグループ会社にあたることや、同氏が育鵬社教科書執筆母体の「日本教育再生機構」の機関誌に論文を投稿していたことなど、教科書採択に利害関係者として影響を及ぼしたのではないかと指摘された。大阪市会でそれらに関する見解を問われた同氏は、「教育委員就任前に産経新聞の経営からは退いている。大阪市教委にはかつて他の新聞社出身の教育委員の方もいた。出身にかかわらず教育委員としては職務遂行義務がある。個人の職歴をあげつらうのは差別」「雑誌掲載については、育鵬社頑張れとは書いていないし、教育委員として教育政策への理解を求めるのは当然」(いずれも要旨、2015年10月5日)などと気色ばむ場面もあった。

2015年10月5日 大阪市会教育こども委員会議事録(2)
江川繁市議(共産)の質疑 ◆江川繁委員 日本共産党の江川でございます。  私のほうは、まず陳情第77号、中学校社会科教科書採択制度の問題...

 また大阪市の育鵬社教科書採択問題については、この他にも、会長が「日本教育再生機構」に関与しているとされる住宅販売会社「フジ住宅」(大阪府岸和田市)が、会社の業務時間内に社員を教科書展示会会場に動員し、会場での教科書に関するアンケートについて、育鵬社教科書を支持するような同一文面を大量に書かせて投函した、大阪市教委は同一内容が大量にあることを認識しながらそのまま集計したという不正疑惑問題も指摘されている。

 育鵬社教科書アンケート不正疑惑問題については、詳細な調査が進められているところだという。高尾委員辞任と育鵬社教科書採択問題の関連性については現時点では明らかではないが、教科書採択問題についても全容解明の必要がある。

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