幼稚園廃止条例案と大阪市の対応

 『産経新聞』ウェブ版2017年1月4日付に『児童急増、校舎足りない! 小学校併設の幼稚園廃止条例案…保護者「幼児教育充実方針に逆行」 大阪市』が掲載されている。

 大阪市中心部では住民の都心回帰傾向によりマンションが建設される例が目立ち、それにともなって地域の児童数も急増し、地域の小学校の教室が足りなくなる事例が相次いでいる。

 小学校の校舎増築などが緊急の課題となっているが、大阪市教育委員会は西区の西船場幼稚園について「小学校に併設されている幼稚園を近隣幼稚園に統合する形で廃止し、空いたスペースに校舎を増築する」という案を出した。

 しかしそれに対して、幼稚園をつぶすのは疑問という保護者や地域の声が出ている。幼稚園廃止議案は大阪市会で審議されたが、議員からは疑問点が多く指摘され、閉会中継続審査の扱いとなっている。

 小学校の児童数が増加の一途をたどる一方ということは、言い換えれば、数年後に小学校に入学することになる幼稚園児や乳幼児も増加しているということでもあり、幼稚園や保育所の需要も同時に求められているということにもなる。そんな状況の中、幼稚園をつぶして遠方の幼稚園に通わせるという方針を出すなど、奇策を通り越して唖然とする。

 もちろん小学校の校舎増築の課題も同時に解決すべき問題ではある。しかし保護者にとっては、数年のうちに幼稚園児の保護者・小学生の保護者の立場の双方を経験することになり、またきょうだいがいれば双方の立場を同時に経験する場合もあり、どちらかをとってどちらかを犠牲にするようなやり方はとうてい受け入れられないのではないか。

 記事では、「小学生が増えるなら、0~5歳児のための受け皿も必要不可欠。吉村洋文市長は幼児教育の充実を施策に掲げているのに、廃園は逆行していると思う」とする保護者の話が掲載されている。全くそのとおりだといえる。

 また地域住民にとっても、自分の子どもや親族が直接的な影響を受けるわけではないという人でも、まちづくりの観点からは憂慮されるべき問題だといえるのではないか。

 大阪市は廃園対象の幼稚園での保護者説明会で、「幼稚園には学区もないし、義務教育でもない」と繰り返したとされる。しかし、必要な公共施設の計画的配置が後手に回ってきたというまちづくりのあり方での無策に加えて、橋下市政から続く幼稚園の廃止・民営化方針が現市政でも継続され「小学校校舎増築」を口実に持ち出すような形になったことなども、混乱に拍車をかける形になったのではないかと考えられる。

 大阪市の施策の混乱が、住民へのしわ寄せとなって現れる形になっている。

 市長与党の大阪維新の会には、こんなふざけた市議もいる。結局、公立幼稚園を減らして公教育の予算を減らすことしか考えてないのかと。

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