大津いじめ自殺事件から5年

 滋賀県大津市立皇子山中学校2年だった男子生徒が2011年10月、当時の同級生3人からのいじめを苦にして自殺した事件があった。生徒の自殺から5年となる10月11日、生徒の父親と越直美大津市長が大津市役所で記者会見し、心境を語った。

 父親は「いじめ防止対策推進法の趣旨を正しく理解し、運用できている自治体とそうでない自治体との格差が広がっている」などと指摘した。また「いじめがどのような行為を指すのか分かっていない学校関係者が多い」とも指摘し、学校側の対応の向上を求めた。

 越直美大津市長も「事件を忘れず、いじめ対策を続けることが、宿命であり責務だと考える」などと語った。

 皇子山中学校でのいじめ自殺事件をきっかけにして、いじめ防止対策推進法ができた。法律施行によって一定の前進はみられたものの、まだ不十分だといえる状況が続いている。

 この5年間でも、マスコミ報道されただけでも、「いじめを苦にして自殺した可能性が高い」と指摘された児童・生徒の自殺事案や、いじめによって重大なケガや精神症状を負った事例も多数発生している。その一方で学校・教育委員会の対応は、必ずしも十分ではないという状況も浮かび上がる。より実効性ある対策を検討しなければならない。

 皇子山中学校のいじめ自殺事件では、生徒の家族と大津市との間では、市が責任を認める形で和解が成立している。その一方で加害生徒側はいじめの事実を認めず、民事訴訟が続いている。折しも生徒の命日でもある10月11日には、加害生徒3人やその保護者を相手取った民事訴訟の大津地裁の第22回口頭弁論が開かれ、加害生徒側は改めて争う姿勢を示したという。こちらも早期解決が求められる。

(参考)
◎いじめ対策「自治体で格差」=中2自殺5年で父親会見―大津(時事通信 2016/10/11)
◎大津いじめ自殺5年 「防止策の履行義務化を」父親が訴え(毎日新聞 2016/10/11)
◎大津いじめ自殺 元同級生争う姿勢 全面的に否認へ(毎日新聞 2016/10/11)

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