子ども急増、併設幼稚園つぶして小学校校舎増築?大阪市西区

 大阪市西区で、幼稚園の統廃合計画が進んでいるという。

 西区では地域でマンション建設が進んだことに伴って地域の子どもの数も急増し、小中学校施設の過密化・狭隘化が区内のあちこちの地域で問題になっている。

 西区にある大阪市立西船場小学校でも児童数急増によって校舎増築の必要があると判断されているが、そのまま増築すると運動場が狭くなるなどの弊害が出るとして、同一敷地内に併設する大阪市立西船場幼稚園を近隣の大阪市立靭幼稚園に機能統合する形で廃園とし、校舎増築用地を確保する案が大阪市教委から出されている。地域での説明会などが順次おこなわれているという。

 大阪市は当初は9月16日開会の大阪市会に廃園の関連議案を出すともみられていたが、開会日時点では提出されていない。

 大阪市の計画に対して保護者らが疑問視し、「西船場幼稚園を守る会」を作って住民運動を始めている。

 児童数が急増している地域で幼稚園を統廃合するとなると、ますます幼稚園への入園が難しくなるのは自明ではないか。近隣の公立幼稚園を希望しても入園できない、遠方や費用のかかる私立に通わせざるを得ないなど、子どもにも影響が出ることにもなる。

 もちろん、小学校の校舎増設は緊急にすすめるべき課題である。しかし、小学校の校舎増設問題に対して幼稚園廃止をぶつけてくるという論理自体、むちゃくちゃなものだといえる。片方を立てるためにもう一方を犠牲にするという性質ではない。

 また大阪市では、維新市政のもとで、市立幼稚園をすべて市立としては廃止し、統廃合や民間移管を図る案が出されている。当時の大阪市長だった橋下徹は一気に全園の移管・廃止を図ろうとしたが、難しいと判断して、できそうなところから少しずつ廃園や民間委託を図る案を出している。しかしそれでも、西区をはじめ、西成区・津守幼稚園(2015年3月閉園)や淀川区・新高幼稚園など区内あちこちの地域で、対象となった園の関係者から大きな反対の声があがっている。

大阪市立幼稚園の廃止問題と反対運動特集:MBS
 毎日放送の夕方ニュース番組『MBS VOICE』が2012年10月12日の放送で、統廃合の危機に揺れる大阪市立津守幼稚園(西成区)の問題を...

 教育の問題だけではなくまちづくり全般にかかわる根本的な問題として、マンション建設ラッシュが進むと子育て世代の人口が増え、学校や幼稚園・保育所の需要も増えることが容易に予測されるのに、それに対する対策が後手に回っていた大阪市の市政からしておかしいのではないかといえる。失策のつけを、子どもに回してはいけない。

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