「総合こども館」外観イメージを公表:大阪・阪南市

 大阪府阪南市が市立4幼稚園と3保育所の計7施設を1ヶ所に統廃合して600人規模の「総合こども館(仮称)」(認定こども園)を作る計画で、阪南市役所の担当部局は8月18日、市議会特別委員会に対して施設方針を説明し、外観イメージ図を明らかにした。

 「総合こども館」問題では、幼稚園・保育所の施設老朽化に伴う建て替えや耐震補強工事などの必要性が推進の背景にあるとされる。しかしその一方で、「交付金目的ではないか」という指摘もされている。

 また市内1ヶ所の大規模施設に集約することで、保護者や幼稚園・保育所関係者から不安が出されている。施設が大規模になることによって、児童に保育者の目が届きにくくなるのではないか、迷子や誘拐などの事故につながりかねない、災害時の避難誘導が十分にできるのか、インフルエンザ・おたふくかぜなどの伝染病・感染症や給食での集団食中毒などが発生した場合には従来よりも被害が広がるリスクがあるなどが指摘されている。また保護者の送迎についても、自宅から遠くなる場合が多いことでの時間的な負担や送迎バス乗車時間の長時間化で児童の体力的な問題や保護者の負担、マイカー送迎による施設周辺での渋滞や施設内外での事故のリスクなども指摘されている。

 大規模な「総合こども館」施設は、全国的にもほとんど例がなく、不安の声が出るのもある意味当然であろう。

 市長は「総合こども館」計画を強く推進し、また市議会議員の多くが賛成しているという。その一方で、計画を不安視する保護者や地域住民からは、市の人口の2割にあたる規模での住民投票請求署名も提出されている。

大規模「総合こども館」計画、住民投票実施しない意向表明:大阪府阪南市
 大阪府阪南市で7ヶ所の市立幼稚園・保育所を全市1ヶ所に統合・集約して大規模な認定こども園・「総合こども館」(仮称)に改編する計画をめぐり、...

 不安や疑問の声が根強いものを、不安や疑問を十分に解決しないまま強硬に進めると、将来に禍根を残すことになる。一般的に言えば、仮に「良いもの」だとしても、自分たちが良いと考えているから押し付けるのではなく、不安や疑問の声にもていねいに向き合って解決していくプロセスも重要ではないか。もっとも、この計画では不安が膨らむばかりで、計画の方向で進めるというのは非常に難しいのではないかと、個人的には考えている。

 阪南市では10月30日投開票で市長選挙が実施される。現職市長のほか、「総合こども館」計画見直しを掲げる新人が、それぞれ立候補の意向を表明している。市長選挙では「総合こども館」問題も大きな争点の一つになると予想される。この問題については、住民の立場で粘り強く関係先に働きかけるとともに、市長選挙での判断が一つの山場となってくるとみられる。

幼稚園・保育所統廃合で市内1ヶ所の認定こども園に集約計画:大阪府阪南市
 大阪府阪南市で、市内7ヶ所の市立幼稚園・保育所を統合し、園児600人規模の総合こども館(幼保連携型認定こども園)1ヶ所に集約するための予算...

(参考)
◎ 総合こども館 イメージ図公表 阪南市 /大阪(毎日新聞 2016/8/19)
◎7つの幼稚園・保育所を1カ所に…「総合こども館」公表 大阪・阪南市、反対多く市長選の争点に(産経新聞 2016/8/24)

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