全国学テ「平均点が下がる」一部生徒の答案を集計から除外:沖縄・那覇市

 2016年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に関連して沖縄県那覇市立中学校が、「平均点が下がる」などと理由をつけ、不登校などの一部生徒の答案を除外して文部科学省に送っていたと指摘されている。『東京新聞』2016年8月24日付朝刊『学力テストで一部生徒の答案除外 沖縄の中学「平均点下がる」』が報じている。

 報道によると当該校では、担任らは「指導していないから学力の改善はできない」「(答案用紙を交ぜると)平均点が下がる」などとして、不登校や授業を欠席しがちだった5人程度の生徒の答案について、受験したにもかかわらず欠席扱いで除外し、残りの答案を文科省に送付したという。

 この件については、文科省は「報告を受けていない」、沖縄県教委は「報告として上がってこなかった」として、いずれも現時点での見解表明を避けている。

 また那覇市の複数の中学校で、少なくとも8年前から同様の行為がおこなわれていたとも指摘されている。日本教職員組合(日教組)や全日本教職員組合(全教)によると、全国的にも複数の地域で同様の事例が報告されているという。

 全国学力テストは、学校別・地域別の平均点のみがほぼ唯一の尺度として扱われ、平均点を上げるための点数競争を激化させる作用しかもたらさない、そのためには不正も発生するということが、改めて浮き彫りになったものだといえる。

 テスト自体、導入計画当初は、学校間・地域間競争を目的としたものとして構想された。その後批判も巻き起こり、文科省も表向き「学力状況の把握」と言わざるを得なくなった。そのために平均点の公表も、文科省としては「競争を避ける」として都道府県別平均点のみにした。しかし実際は「自分の県は何位か。全国平均より上か下か」という一面的な尺度で扱われるケースが目立ち、テストの点数競争が激化した。

 さらに都道府県内で市町村別・学校別の平均点公表を求める動きも相次いだ。文科省は、「自らは公表しないながらも、地方自治体の教育委員会が公表することは容認する」と、なし崩し的な扱いをしてきた。

 また全国学力テストの導入以降、平均点を向上させるために、不正や不正まがいの行為をする例も、各地で相次いで発覚している。今回の件も、その延長線上にあるものだといえる。

 改善するためには、現行方式での全国学力テストを中止するしかない。文科省として傾向を把握するのならば抽出調査で十分だし、そもそも学力概念は一つのテストの平均点や順位とは全く別のものである。

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